凍 (新潮文庫)

凍 (新潮文庫)

この「凍」という作品はとても面白い。
山野井夫妻というクライマーが、チベットとネパールにそびえ立つ「ギャチュンカン」という7千メートル以上ある山をアルパインスタイルで登るノンフィクション作品である。

アルパインスタイルとは酸素ボンベを使わず、身軽な格好で山を登るスタイルなのだが、7千メートル以上の標高だと平地に比べ酸素濃度が三分の一しかないらしい。

普通の人間であれば、5日が限界なのだが、この夫妻は九日間も過ごしている。
まさに超人である。

別に山に対してあまり興味がなかった僕だが、この本を読み終えた今でも過酷な山を登った気分になり、高揚がおさまらない。

沢木幸太郎さんの台詞回しがうまいのだろう。

5、6時間ほどあれば読める作品なのでお勧めします。