読書の日

今日は読書の日にしようと思った。
最近本を読んでおらず、これだとネタが枯渇してしまうなあと思ったので、じっくり今日は本を読むことにした。



最初にだいぶ前に感想書くと言ってた宮崎駿の「折り返し点1997〜2008」

折り返し点―1997~2008

折り返し点―1997~2008

今さらながら、感想を書きたいと思います。
普通に読んでタメになったとか、面白かったとかは書きません。
まずこの本には、「もののけ姫」〜「崖の上のポニョ」の概要、内容が載っており、また作者自身の考えや梅原猛氏などの座談会が載っています。
ですが、メインは「もののけ姫」と「千と千尋の神隠し」で、「ハウルの動く城」や「崖の上のポニョ」に関しての記事はあまり掲載されておりません。



では感想に移りたいと思います。

もののけ姫」で感じた宮崎駿監督の智慧
まず最初にこの国、日本は八百万の神が宿ると考え、神道という多神教を重きにおいていました。
それはなぜかというと、森に囲まれ、豊富な水が存在にしたのと、自分ではどうすることも出来ない台風、地震、洪水などの自然災害がよく起こる地層であることも理由の一つであります。
例えばキリスト教イスラム教みたいな一神教の場合だと、神は善良として扱われますが(人間にとって都合のいい、また砂漠地帯は森などの豊かな資源がないので考え方が一神教になるらしい)、日本の神は多神教で、良い神もいれば、悪い神もいる。といった荒ぶる神といった考えをずっと持っていました。
しかし現在ではどこかしら自然をコントロールしようとしている感じがします。もともと自然とは牙がむき出しの状態で害を与えるモノなのに・・・。
そのことで宮崎駿監督は

「本当の自然は、恐ろしさもいっぱいある自然のことであって、文明の力で甦らせた自然とは違うんです。 ですからエコロジーと言う時に、目の前の自然がなくなるから破壊だというのは、人間と自然を深く考えたことにはならないと思う。」と述べ、また「人間があまりに凶暴なものなので、これまで自然のほうをやさしく描いてきましたが、実は自然は時に残忍なものです。不条理なのです。なぜこの個体が生き、この個体が死なねばならないのか_ 実に気まぐれなんですね。自然は固体の善悪など全く頓着していません。」

と述べています。これを考えると、人間も俯瞰(フカン)してみると、「よく今まで生命が途絶えず、自然界の荒波にもまれながら、よく生きてこれたものだっ!!」と感心してしまいます。
この「もののけ姫」のキャッチコピーが「生きろ」(コピーライターの糸井重里さんが考えたもの)でしたから。
時代物を描くには、その時、時代に応じて物事の考え、形式が違うからその事も念頭に入れて作品を作らなければならないと感じました。


今の時代、宮崎監督いわく、


「理屈をいうとウソ臭くなる時代に生きている」


らしく、「もののけ姫」はそういった難しいことを避けたそうです。たしかにこじつけの理由を足すと、客から観たら、必要ないし、むしろ理屈ぬきで説明して欲しい、みせてほしいと思ってしまいます。それはやはりエンターテイナーだからという理由もあると思います。




次に「千と千尋の神隠し」の名前を奪う行為についてです。

この作品の中に湯婆婆が、千尋の名前を「今日からお前の名は千だ」という有名なシーンがありますが、ここで宮崎監督は



「名前を奪う行為は、(中略)相手を完全に支配しようとする方法である。」と述べ、また「言葉は力である。言葉は意志であり、自分であり、力なのだということを、この映画は説得力を持って訴えるつもりである。」

と述べておられる。
今の世の中は、軽率的な言葉が目立ちます。(特に政治家の人たちは)すごく言葉が安直にされている。言葉には魂が宿る(言霊)と言われますけど、僕もあまり軽はずみなことは言わないほうが良いなあと思いました。
名前に関してですが、たしか岡本太郎さんは「名前なんてないほうが良いんだ。名前があるからおごり高ぶるんだ。」と昔おっしゃっていましたが、まさにその通りだと思います。名前とはそれだけ力があるということなのだと感じます。だからといって、名がなければ困りますが・・・。(算数の問題みたいにA君Bさんは嫌だ)

全然関係ないけど、たしか「もののけ姫」でもアシタカがサンに出会ったとき、「我が名はアシタカ 東の果てよりこの地へ来た」と名乗っていたな〜。その時、マントみたいなものが舞っていたな〜、意識的に。やはり名前の力は、とてつもないモノなのかもしれない。



続いて「梅原猛の授業 仏になろう」を読みました。

梅原猛の授業 仏になろう

梅原猛の授業 仏になろう

著者の作品は、読みやすく導入しやすく、考えさせられる内容が特徴です。
僕はこの人の本が大好きで、
空海の思想について (講談社学術文庫)

空海の思想について (講談社学術文庫)

空海の思想について」という本を一昨年読んでハマりました。
これはオススメですっ!!

まあ今日読んだのは、仏教という全体的なもので、広く浅くといった感じで、「仏教のこと、全く知らんわ〜。」という人でも読みやすい本です。「別に興味ないわ〜。」という方は・・・・・・わかりません。

仏教とは、何なのか?それは仏になることであります。

日本の仏教の歴史を軽く説明すると、蘇我の時代に伝来し、聖徳太子が初めて憲法、政治に仏教を取り入れました。そして行基という人が民衆に布教しました。この行基という人は、献身的な人で、温泉を掘り当てたり、橋をつくったことで有名な人です。その後、神仏習合となりましたが、江戸時代に檀家制度により、仏教が劣化します。そして明治維新で、廃仏毀釈となり、燃やされたり、壊されたりしました。まあこれは大まかですけど、こういった流れで現在に至ります。

では、この商品の表紙に載っている水瓶を持っている「十一面観音立像」です。
この観音さんは、日本でとても流行ったらしい。(千手観音と並んで)なぜかというと稲作農業が関係しているらしいです。
この観音さん、水瓶持ってるでしょう。これは田植えするときって水が必要じゃないですか。それと関わってるらしいですよ。

まあ今日はこの辺にしておきます。
文ばっかりになってしまった・・・。